ある猛暑の7月にインドに行ったときの話です。
成田を飛び立ったエア・インディアは、夜遅くに熱気と湿気の立ちこめるデリーに到着しました。
目的地はアーメダバードという中都市の郊外にあるカロールという村なので、国内便に乗り換えなければなりません。僕はインディアン・エアラインのアーメダバード行きのチケットを持っていました。
ちなみにインディアン・エアラインとエア・インディアは国内便と国際便をそれぞれ担当している同じ会社です。そして唯一の国営航空会社で、それが理由で多くのインド人に不評というか、なんとなく好かれていないというか。
夜にデリーに着くともう国内便は飛んでいない時間なので、デリーで一泊します。タクシーで街に出て、手頃な宿を見つけたら食事だけして寝てしまいます。
翌朝は暗いうちからタクシーに乗り、昨夜来た道をまた空港へ。フライトの一時間以上前に到着。
ここまでは順調でした。
まずがらんと殺風景な空港でインディアン・エアラインのカウンターを探します。見つけた瞬間、異変に気づきました。そこだけ何十人もの人間がカウンターに押し寄せるように固まっていたのです。
群衆の最後尾に着き、そのうちのひとりに何事か、と尋ねると、短くひと言
ストライキ
と返ってきました。
(つづく)
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